一般社団法人 日本感染症学会
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学会について

理事長ご挨拶

理事長からのご挨拶

理事長 岩田  敏

 2015年4月をもって、理事長に再任されました岩田敏でございます。二期目となりますが、どうぞ宜しくお願い申し上げます。
 本学会は1926年(大正15年)に当時東京市立駒込病院長で在られた二木謙三先生が中心となり、日本伝染病学会として設立されました。1954年(昭和29年)に社団法人日本伝染病学会となり、初代理事長には二木謙三先生が就任されています。その後、衛生環境の改善や抗微生物療法の進歩に伴いわが国における感染症の疾病構造が大きく変化しことに対応して、1974年(昭和49年)に社団法人日本感染症学会と名称を変え、2013年3月からは一般社団法人日本感染症学会として現在に至っております。本学会は、設立以来一貫して、それぞれの時代に問題となる感染症に対して広く正面から取り組み、この領域における学術的活動を推進して参りました。このような歴史と伝統のある本学会の理事長を務めさせていただくに当たりましては、その使命の重さを痛感している次第であります。
 衛生環境の整備、抗微生物薬の進歩、ワクチンによる感染症予防法の普及により、感染症は克服されつつあるようには見えますが、発展途上国においては依然として多くの伝染性疾患が蔓延しておりますし、HIV感染症、SARS、新型インフルエンザ(A/H1N1)、重症熱性血小板減少症候群(severe fever with thrombocytopenia syndrome:SFTS)など、近年になって新たに出現した新興感染症は少なくありません。また抗がん剤や免疫抑制剤による治療法の進歩による影響、ヒトの免疫保有状況の変化等により、以前にみられていた感染症が再度問題となる再興感染症も増加しております。2014年には西アフリカにおけるエボラウイルス病の流行があり、高い死亡率と医療関係者への感染例が多くみられたことから、その脅威に全世界が震え上がり、国際的な感染症危機管理のあり方と感染対策の重要性が改めて議論ざれました。また国内においては、60年以上報告のなかった国内発生のデング熱が流行し、大きな問題となったことは記憶に新しいところです。デング熱を含む蚊媒介感染症に関しましては、今年度以降の流行に備え、日本感染症学会として診療体制の整備を進めていく予定です。
 感染症への対策の4つの柱は、疫学、診断、治療、予防であり、これらが一つでも疎かにされれば、感染症のコントロールは立ち行かなくなります。様々な分野における感染症の専門家が集結し、感染症全般を取り扱う本学会の役割は、まさに感染症の疫学、診断、治療、予防のすべての分野において、総合的なリーダーシップを発揮することにあると考えております。感染症を治療するためには、新しい抗微生物薬の開発や、新しい治療法の工夫はもちろん重要であり、本学会としても関連学会と協力してこの分野における研究の発展に協力したいと考えております。またその一方で、分子疫学的な手法も含んだ疫学解析、適切な治療を行うために必要な微生物検査の迅速化を含む新しい検査診断法の開発、ワクチンを中心とした予防法の開発と普及などに、より一層の努力を注ぐが必要であることも認識しております。
 交通網の発達により、人の移動や物流が大量・高速・広範囲化している現在、感染症の領域でもグローバル化が急速に進んでいます。ある地域で発生した感染症は、病原微生物の種類によっては、またたく間にその流行が世界に広がります。また医療関連感染で問題となる各種耐性菌についても、海外で問題となっている耐性菌が国内に持ち込まれるリスクが常に存在しています。感染症は、日常生活の中で常に身近にあり、また医療関連施設においては診療科横断的に問題となる疾患です。感染症の専門家集団である当学会の役割は、今後益々重要になると考えられます。そのような背景を踏まえ、日本感染症学会は、学会における率直かつ専門的な議論を通じて、感染症領域の基礎的研究、臨床的研究の発展と若い力の育成、および社会に対する専門家からの情報発信において、より一層の努力を続けて参ります。

2015年4月
一般社団法人 日本感染症学会
理事長 岩田  敏