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抗菌薬の適正使用に向けた8学会提言
抗菌薬適正使用支援(Antimicrobial Stewardship:AS)
プログラム推進のために
―提言発表の背景と目的―

公益社団法人日本化学療法学会 理事長 門田 淳一
同 抗微生物薬適正使用推進委員会 委員長 二木 芳人
一般社団法人日本感染症学会 理事長 岩田  敏

 世界的に進行する耐性菌問題への取り組みの一環として、2014年には、日本化学療法学会が中心となり「新規抗菌薬の開発に向けた6学会提言」(“耐性菌の現状と抗菌薬開発の必要性を知っていただくために”)を、また、2016年には「新規抗菌薬の開発に向けた8学会提言」(“世界的協調の中で進められる耐性菌対策”)を発表してまいりました。今回はその重要な項目の一つと位置づけられる抗菌薬の適正使用に向けた提言を、日本化学療法学会と関連の7学会が共同で作成し、発表させていただきました。耐性菌問題への取り組みの中で、いかに抗菌薬を適正に使用して耐性菌の発現を抑制するかは大きな課題であり、前回の提言でも戦略的な耐性菌サーベイランスの実施、感染防止対策のさらなる徹底、創薬の促進とともに基本的な戦略として、行政との連携による抗菌薬適正使用支援の推進を挙げております。抗菌薬の適正使用は、従来から行われてまいりました抗菌薬の使用規制や届出制のみでは十分な効果を得ることが困難であることが明白となってきており、欧米ではAntimicrobial Stewardship(AS)プログラムと呼ばれる抗菌薬適正使用を支援するための取り組みが行われております。この重要性あるいは有効性は、昨年、院内感染対策中央会議から公表されました「薬剤耐性菌対策に関する提言」の中でも強調されており、我が国におけるその推進が強く求められております。
 欧米ではこのASプログラムについては、その展開からすでに十数年の歴史があり、組織化や運用のためのガイドラインなども公表されています。さらにより効率的なプログラムとするための様々な修正や工夫もなされており、常に進化しつつあるものと考えられます。翻って、わが国で今後このASプログラムを積極的に普及させ、効果的に運用するためにはいくつかの大きな課題があります。一朝一夕に優れたプログラムができるものではありませんが、欧米での過去の経緯を鑑み、わが国の実情に応じたASプログラムを考え、積極的に育てていくことを今から始めなければ手遅れになります。そのために、何が我が国では不足しているか、今何をしなければならないかを、関連8学会で議論を重ねて作り上げられたのが本提言です。それぞれの感染対策に取り組まれる立場でご覧いただき、各々ができることから取り組みを始めようではありませんか。

抗菌薬の適正使用に向けた8学会提言 抗菌薬適正使用支援(Antimicrobial Stewardship:AS)プログラム推進のために

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