日本感染症学会

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平成30年度感染症専門医試験問題(抜粋)

最終更新日:2019年1月25日

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1.「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン2016-2020」のヒトに関する成果指標について、誤っているのはどれか。

a 2020年の肺炎球菌のペニシリン耐性率を15%以下に低下させる。
b 2020年の緑膿菌のフルオロキノロン耐性率を25%以下に低下させる。
c 2020年の黄色ブドウ球菌のメチシリン耐性率を20%以下に低下させる。
d 2020年の経口セファロスポリン系薬使用量を2013年の水準から50%削減する。
e 2020年の1日静注抗菌薬使用量を2013年の水準から20%削減する。

正解
b

2.1人の感染発症者が免疫をもたない人の集団の中に入った時に直接感染させる人の数(基本再生産数)が最も小さい感染症はどれか。

a 麻疹
b 風疹
c ムンプス
d 水痘
e インフルエンザ

正解
e

3.ニューモシスチス肺炎に関して誤っているのはどれか。

a β-Dグルカンが上昇する。
b 治療は、スルファメトキサゾール・トリメトプリムやペンタミジンの投与を行う。
c ヒトーヒト感染も生じる。
d 治療期間は4週間以上である。
e 重症例では副腎皮質ステロイドを併用する。

正解
d

4.30歳の男性。ハッジ(メッカの大巡礼)に参加予定。
渡航までは1か月ある。アレルギー歴なし。ワクチン接種について相談があった。
特に優先順位の高いワクチンはどれか。2つ選べ。

a コレラワクチン
b 日本脳炎ワクチン
c 髄膜炎菌ワクチン
d ダニ媒介脳炎ワクチン
e インフルエンザワクチン

正解
c、e

5.敗血症に関する下記の記述で誤っているのはどれか。

a qSOFA(quick SOFA)は意識状態、呼吸数、収縮期血圧の3項目を評価する。
b SOFAスコアは臓器障害を評価するために用いる。
c 輸液負荷と血管作動薬で平均血圧65mmHg以上を維持できない場合に敗血症性ショックと診断する。
d 敗血症診断後、1時間以内の経験的抗菌薬投与の開始が推奨される。
e 敗血症に対する少量長期ステロイド投与は予後を改善しない。

正解
c

6.わが国におけるHBs抗原陽性の母親から生まれた児への対応で誤っているのはどれか。

a 出生直後に抗HBsヒト免疫グロブリン(HBIG)を静注する。
b B型肝炎ワクチンを出生直後、生後1か月、生後6か月に接種する。
c B型肝炎ワクチンの接種量は、各0.25mLである。
d 生後9か月でHBs抗原とHBs抗体検査を行う。
e B型肝炎の定期接種の対象外である。

正解
a

7.14歳の女子。主訴は発疹で、外来を受診した。父親が東南アジアへ出張から帰国後、発熱と発疹が出現した。デング熱は検査で否定された。父親の発症から約2週間後患児にも発熱と発疹が出現したが、別に手指の関節痛も認めた。診察では耳介後部リンパ節腫脹を認めた。既往歴でネフローゼ症候群があったため、予防接種歴は三種混合とポリオを除いて接種していなかった。
この疾患について正しいのはどれか。

a 2峰性発熱が多い。
b 抗ウイルス薬による治療を行う。
c 解熱後3日経過すると学校へ行ってもよい。
d 先天性感染では難聴や心奇形、白内障を呈する。
e 遺伝性球状赤血球症の患者が罹患すると重度の貧血を呈する。

正解
d

8.Clostridioides(Clostridium)difficile関連感染(CDI)に関して正しいのはどれか。

a 擦式アルコール製剤で手指衛生を行う。
b 低濃度(50ppm)の次亜塩素酸ナトリウムによる環境消毒を行う。
c toxin A、toxin Bの抗原検査の感度は95-100%である。
d 抗原検査であるグルタミン酸デヒドロゲナーゼ(GDH)陽性は確定診断である。
e イレウス合併例では注射用メトロニダゾールの併用治療も行う。

正解
e

9.メトロニダゾールの内服または腟錠により治療する婦人科感染症はどれか。2つ選べ。

a 細菌性腟症
b 性器カンジダ症
c 腟トリコモナス症
d 淋菌性子宮頸管炎
e クラミジア子宮頸管炎

正解
a、c
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