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感染症専門医制度

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感染症専門医の医師像・適正数について

 日本感染症学会では「感染症専門医の医師像・適正数」を改正しましたので、お知らせ致します。
 下線箇所を追加しましたので、ご確認ください。

感染症専門医医師像

 感染症学会認定感染症専門医は感染症の臨床(診療)を実践する医師の中で、特に感染症全般に精通しており、感染症に関連する専門的かつ高度な知識と技術、判断力を以って国民の健康と福祉に医療を通じて貢献できる人格的にも優れた医師である。
 感染症はさまざまな臓器・部位に起こりうるものであり、また全身的疾患でもあることから、感染症専門医は全身の系統的診療を行うことができる医師でなければならず、その資格は医学・医療の基本領域学会の専門医(認定医)資格を取得した後に、感染症に関する一定以上の診療経験、知識、技術、判断力を有する医師のみに与えられるものである。グローバル化の時代にあって、輸入感染症にも対応できるとともに、耐性菌の出現を抑制するため適正な抗菌薬使用ができ、医療安全、施設内感染対策、地域感染対策等にも高い見識を有し、人権への配慮と優れた倫理観をもって患者の安全・安心に貢献する医師であって、感染症の診療に関し感染症を専門としない医師を適切に指導できる能力を備えている。
 基礎となる基本領域の感染症にあっては更に高度な専門的能力を有するものである。
 尚、感染症学会認定感染症専門医はそれぞれの基本領域の診療に加え、1類、2類、指定及び新感染症、輸入感染症、希少感染症など専門的知識・技術を必要とする感染症の担当医として直接診療に携わるが、3類から5類感染症、その他の一般的感染症については主としてコンサルテーションを受けて担当医を指導・支援する役割を担うものとする。但し、この役割分担はその医療機関の診療体制に合わせた形で柔軟に運用されるものである。施設内及び地域の感染対策にも積極的に貢献する。

感染症専門医適正数

 感染症は極めて普遍的に見られる疾病であり、世界の年間死亡者数の3分の1を占めている。日本における死亡原因のうち感染症では肺炎が最も頻度が高く、悪性新生物、心疾患、脳血管疾患に次ぎ、第4位である。悪性新生物、心疾患、脳血管疾患でもその経過中に感染症を合併することが多く、生命予後に影響していることが少なくなく、感染症が国民の健康に与える影響は多大である。
 一方、感染症は全国に広く認められる疾患であること、適切な診断、治療により救命できる場合が多いこと、急性感染症が多く迅速な対応が重要であることを考えると、感染症の診断・治療に習熟した医師が全国に広く存在していることが望ましいことは論を待たない。
 日本には医療機関として病院が約9千施設、診療所が有床、無床合わせて約9万6千施設存在する。これらの施設において第一線で感染症診療に当たる医師のほかに、感染症診療においてより高度な知識と技術、経験を有し、上記の多数の臨床現場の医師を指導し、また、稀な感染症や診断、治療が困難な感染症を適切に診療でき、適正な抗菌薬の使用ができる感染症専門医の存在が必要である。コンプロマイズドホストが先端的医療を行う教育病院や比較的病床数の多い中規模、大規模医療機関に多いこと、また、そのような医療機関には通院患者も多く、市中感染患者も多いことなどから、300床規模以上の医療機関には感染症専門医が常勤で勤務しているべきと考えられる。
 現在、300床以上の医療機関は約1,500施設であるため、1施設に最低1人の感染症専門医を置くこととすると、1,500人の専門医が必要とされるが、専門医が均等に分布・配置されるとは考えられないので、その2〜3倍の専門医が必要と考えられる。先に述べたとおり、感染症は非常に多い疾患であり、かつ、急性感染症が多く迅速な対応が重要であることを考えると、例えば都道府県に一箇所ずつの感染症センターを定めそこに専門医を置き、患者を集中すると言った方式は現実的ではなく、比較的多くのしかも一般病院に常駐し、専門医のいないその近隣の病院の相談・指導にも当たる形式が好ましい。
 このようなことから、病院に勤務する感染症専門医の人数は3,000〜4,000人程度が適正と考えられる。

社団法人日本感染症学会
平成22年10月