感染症アトラス

一般社団法人日本感染症学会

ニューモシスチス肺炎

症例

  • 50代 男性
  • 主訴:発熱、咳嗽
  • 現病歴:1年ほど前から全身倦怠感を自覚。1ヶ月前から乾性咳嗽と微熱が出現。2週間前に近医を受診し、肺炎の診断でレボフロキサシン 500mg内服治療を7日間行われるも、症状が増悪したため総合病院救急外来を受診、精査・加療目的で同日緊急入院。
  • 既往歴・家族歴:特記事項なし

入院時身体所見

  • 体温39.1℃、血圧 117/79 mmHg、脈拍 119/分・整、SpO2 97%(室内気)、意識清明
  • 皮疹なし、表在リンパ節腫脹なし
  • 貧血・黄疸なし、口腔内に白苔を認める
  • 心音・呼吸音に異常なし、腹部平坦・軟、肝脾腫なし
  • 神経学的異常なし

入院時胸部単純X線写真

入院時胸部単純X線写真

入院時胸部CT

入院時胸部CT

入院時検査所見

入院時検査所見

気管支肺胞洗浄液

Pneumocystis jirovecii の菌体を認める

気管支肺胞洗浄液

入院後経過

  • ニューモシスチス肺炎の診断で、ST合剤 12g内服治療を3週間行い、軽快した。
  • なお、本症例のHIVスクリーニング検査が陽性と判明。末梢血CD4陽性Tリンパ球 79/μL、HIV-RNA 1.4×105 copies/μLで、後天性免疫不全症候群と診断した。
  • ニューモシスチス肺炎の治療終了1ヶ月後よりAntiretroviral Therapy(ART)を開始した。

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