日本感染症学会

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第94回日本感染症学会総会・学術講演会

COVID-19に関連した論文:疫学

最終更新日:2020年9月24日

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疫学

Why obesity, hypertension, diabetes, and ethnicities are common risk factors for COVID-19 and H1N1 influenza infections. (みやざわクリニック)NEW
著者名 Miyazawa D.
雑誌名 J Med Virol. 2020 Jun 24;10.1002/jmv.26220. doi: 10.1002/jmv.26220.
要点 なぜ肥満、高血圧、糖尿病、人種(黒人、ヒスパニック)がCOVID-19 と H1N1 インフルエンザの共通の重症化のリスクファクターか考察。両感染症の重症化に寄与する共通の病態は呼吸不全であること、肥満は呼吸不全を起こしやすいこと、その他の因子は全て肥満に相関があること、から肥満が真のリスクファクターで他の因子は肥満と交絡しているのでは無いかと推察。
Clinical trials of inhaled beclomethasone and mometasone for COVID-19 should be conducted. (みやざわクリニック)NEW
著者名 Miyazawa D, Kaneko G.
雑誌名 J Med Virol. 2020 Aug 10;10.1002/jmv.26413. doi: 10.1002/jmv.26413. Online ahead of print.
要点 COVID-19に対する吸入ステロイドの有効性の可能性を考察。抗ウイルス作用でなくステロイドとして有効であるのか判定するためにシクレソニドに似た粒子径のベクロメタゾンの臨床試験を推奨。シクレソニド同様に抗ウイルス作用を有するモメタゾン吸入薬の臨床試験も推奨。
Incorrect Use of Face Masks during the Current COVID-19 Pandemic among the General Public in Japan. (東京医科大学)NEW
著者名 Machida M, Nakamura I, Saito R, Nakaya T, Hanibuchi T, Takamiya T, et al.
雑誌名 Int J Environ Res Public Health. 2020 Sep 6;17(18): E6484. doi: 10.3390/ijerph17186484.
要点

2020年4月1日に日本人男女2,141人を対象にインターネット調査を実施。WHOが推奨している使い捨てマスクに関する正しい使い方(マスクマネジメント)のそれぞれの項目の遵守率は38.3%から83.5%で、すべて実践している者は23.1%のみであることを明らかにした。マスクの正しい使用方法(マスクマネジメント)に関するさらなる普及・啓発が必要である。

The actual implementation status of self-isolation among Japanese workers during the COVID-19 outbreak. (東京医科大学)
著者名 Machida M, Nakamura I, Saito R, Nakaya T, Hanibuchi T, Takamiya T, et al.
雑誌名 Trop Med Health. 48, 63 (2020). doi:https://doi.org/10.1186/s41182-020-00250-7
要点 2020年5月12日に関東在住の日本人男女2,400人を対象に予防行動の実施状況に関するインターネット調査を実施。仕事をしている1,226人に対して、2020年2月から5月までに発熱等の風邪症状が出たことがあったかを回答してもらい、症状があった場合は、発症後7日間の外出の有無について回答してもらった。その結果、82人が発熱等の風邪症状が出たことがあったと回答し、そのうち62%の者が症状出現後7日以内に仕事に行っていた。仕事に行く者は、会社員、在宅勤務が出来ない者に多かった。self isolationについてのさらなる啓発と、仕事を休みやすい環境の整備が必要である。
COVID-19 pneumonia: infection control protocol inside computed tomography suites. (横浜市立大学附属病院)
著者名 Nakajima K, Kato H, Yamashiro T, Izumi T, Takeuchi I, Nakajima H, et al.
雑誌名 Jpn J Radiol. 2020 May;38(5):391-393.  doi:10.1007/s11604-020-00948-y.
要点 COVID-19患者のCT撮影時における感染防御対策例の紹介。
Environmental sampling for severe acute respiratory syndrome coronavirus 2 during COVID-19 outbreak in the Diamond Princess cruise ship. (国立感染症研究所)
著者名 Yamagishi T, Ohnishi M, Matsunaga N, Kakimoto K, Kamiya H, Okamoto K, et al.
雑誌名 J Infect Dis. 2020 Jul 21: jiaa437. doi:10.1093/infdis/jiaa437.
要点 ダイヤモンド・プリンセス号環境調査で、症状の有無に関わらず、患者退室後1~17日の客室からSARS-CoV-2 RNAが検出された。トイレ床やマクラからの検出が多かった。患者が未使用客室からの検出は認めなかった。ウイルスは分離されなかった。
Descriptive study of COVID-19 outbreak among passengers and crew on Diamond Princess cruise ship, Yokohama Port, Japan, 20 January to 9 February 2020.(国立感染症研究所)
著者名 Yamagishi T, Kamiya H, Kakimoto K, Suzuki M, Wakita T.
雑誌名 Euro Surveill. 2020 Jun; 25(23). doi:10.2807/1560-7917.ES.2020.25.23.2000272.
要点 ダイヤモンド・プリンセス号のCOVID-19アウトブレイクでは、1月20日の出航2日後の1月22日に最初の発症者が確認されており、2月3日の検疫前に既に多くの発症症例を認めていた。飲み物(2/61、3.3%)や食べ物(14/245、5.7%)を準備する職員の累積罹患率が高かった。
Initial Investigation of Transmission of COVID-19 Among Crew Members During Quarantine of a Cruise Ship - Yokohama, Japan, February 2020.(国立感染症研究所)
著者名 Kakimoto K, Kamiya H, Yamagishi T, Matsui T, Suzuki M, Wakita T.
雑誌名 MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2020 Mar 20; 69(11): 312-3. doi:10.15585/mmwr.mm6911e2.
要点 ダイヤモンド・プリンセス号の船員の聞き取りから、船員の感染はレストラン職員が中心であった。
Infection Risk in a Gastroenterological Ward During a Nosocomial COVID-19 Infection Event. (市立福知山市民病院)
著者名 Hara T, Yamamoto C, Sawada R, Ohara T, Oka K, Iwai N, et al.
雑誌名 J Med Virol. 2020 Apr 22; 10.1002/jmv.25853. doi:10.1002/jmv.25853.
要点 消化器内科病棟における院内感染のまとめ。飛沫・接触感染予防が、院内感染の抑制に重要である。
Adoption of personal protective measures by ordinary citizens during the COVID-19 outbreak in Japan. (東京医科大学公衆衛生学分野感染制御部)
著者名 Machida M, Nakamura I, Saito R, Nakaya T, Hanibuchi T, Takamiya T, Odagiri Y, et al.
雑誌名 J Infect Dis. 2020 May; 94:139-144. doi:10.1016/j.ijid.2020.04.014.
要点 COVID-19パンデミック下における一般市民の予防行動の実施状況に関するインターネット調査。COVID-19流行初期の2/25では、「人混みを避ける」「目口鼻を触らない」という予防行動の実施率が低かった。また、一日あたりの手指衛生の回数も中央値で5回/日と必要なタイミングを考慮すると少なかった。
Changes in implementation of personal protective measures by ordinary Japanese citizens: A longitudinal study from the early phase to the community transmission phase of the COVID-19 outbreak. (東京医科大学公衆衛生学分野感染制御部)
著者名 Machida M, Nakamura I, Saito R, Nakaya T, Hanibuchi T, Takamiya T, Odagiri Y, et al.
雑誌名 J Infect Dis. 2020 May 17; 96:371-375. doi: 10.1016/j.ijid.2020.05.039.
要点 COVID-19パンデミック下における一般市民の予防行動の実施状況に関するインターネット調査(J Infect Dis. 2020 May; 94:139-144. doi:10.1016/j.ijid.2020.04.014.)の追跡調査を緊急事態宣言が発令される直前であった4/1に実施。その結果、「人混み避ける」という予防行動は大幅に改善を認めたものの、「目口鼻を触らない」の実施率は改善が見られなかった。また、多変量解析では男性や所得が低い人で予防行動の行動変容が少なかった。
SARS-CoV-2 infection among returnees on charter flights to Japan from Hubei, China: a report from National Center for Global Health and Medicine.(国立国際医療研究センター)
著者名 Hayakawa K, Kutsuna S, Kawamata T, Sugiki Y, Nonaka C, Tanaka K, et al.
雑誌名 Glob Health Med. 2020 Apr; 2(2): 107-11. doi:10.35772/ghm.2020.01036
要点 中国での新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、湖北省の数都市が封鎖され、邦人退避のため日本政府により計5便のチャーター便が派遣された。当センターでは帰国者の大半(793/829人[95.7%])への対応を行い、医師107名、看護師115名、事務110名、検査技師45名、医療通訳数名が参加した。当センターでのトリアージ後の医療機関入院者数は48名であり、空港でのトリアージ人数(n=34)を上回った。トリアージ後入院患者のSARS-CoV-2の陽性率は、トリアージされなかった患者より有意に高かった(4/48人[8.3%]対9/745人[1.2%]:p=0.0057)。
Epidemiology and quarantine measures during COVID-19 outbreak on the cruise ship Diamond Princess docked at Yokohama, Japan in2020: a descriptive analysis.(国立国際医療研究センター)
著者名 Tsuboi M, Hachiya M, Noda S, Iso H, Umeda T.
雑誌名 Glob Health Med. 2020 Apr; 2(2): 102-6. doi: 10.35772/ghm.2020.01037
要点 2020年1月20日~2月22日の間に37.5℃以上の発熱を生じた合計403人の乗船者に対して観察研究を施行した。403人の発熱者のうちCOVID-19確定例は、乗客165人と乗員58人であった。検疫開始時には既に感染は多くのデッキに拡大しており、流行は乗客のデッキから乗員のデッキにも拡大を認めた。確定例数は、2月6日までは3人/日未満で推移したが、2月7日には体温計配布により、新たに43人の確定例が確認され、以後漸減した。全乗客・乗員の下船後14日以上経過した3月17日時点で、乗船者による日本国内でのクラスター発生の報告もなく、今回の検疫措置が前例のない感染症コントロールに貢献した可能性を示唆している。
The National Health Service (NHS) response to the COVID-19 pandemic: a colorectal surgeon’s experience in the UK.(国立国際医療研究センター)
著者名 Yano H.
雑誌名 Glob Health Med. 2020 Apr; 2(2):138-9. doi:10.35772/ghm.2020.01035
要点 第一線の外科医の立場から、今回の危機においてイギリス政府およびNHSがどのように対応したかの報告である。政府の対応は当初緩慢であったが、状況の急速な悪化に伴い方針転換してからは極めて迅速となった。『Stay at home. Protect the NHS. Save lives.』のスローガンの下に、医療(すなわちNHS)崩壊を最小限に抑えるという明確な目的を国民全体が共有し、その実現のために国全体でロックダウンによる大幅な制約・不利益・不便を甘受した。執筆時点でのコロナ総死亡数1万人超、一日死亡数700-800人(在院死のみでケアホーム・自宅死含まず)という状況が日々悪化するなか、NHSの最前線の現場でマネジメント・実臨床、様々レベルでどのような対応が取られたかを報告している。
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