専門医制度規則
平成7年4月13日制定
平成8年4月17日改正
平成12年4月20日改正
平成14年4月11日改正
平成16年4月6日改正
平成18年4月20日改正
平成20年4月17日改正
平成24年4月25日改正
平成25年3月1日改正
平成30年4月21日改正
第1章 総則
第1条
この制度は、感染症に関する臨床医学の健全な発展普及を促し、感染症の知識と実践に優れた医師を育成することにより、人類の健康と福祉に医療を通じて貢献することを目的とする。
第2条
前条の目的を達成するために、一般社団法人日本感染症学会(以下日本感染症学会という)は付則3)に定める基本領域学会(以下基本領域学会という)の協力のもとに、感染症専門医(以下専門医という)を認定する。
第3条
本制度の維持と運営のため、感染症専門医制度審議委員会(以下審議会という)を設ける。
第2章 審議会
第4条
審議会は第1条に掲げる目的を遂行するために必要な事項を所掌するほか、併せて専門医の認定業務も行う。
第5条
審議会は日本感染症学会理事長の推薦する若干名で構成する。
第6条
審議会の委員の任期は2年とし、2期までの再任は妨げない。
第7条
審議会では、委員の互選により、会長を選出する。会長は審議会を所掌し、本制度の円滑な運営を図る。
第8条
審議会は、業務運営に必要な各種委員会を編成することができる。
第3章 専門医の資格
第9条
専門医の認定を申請できる者は次の各項を満たす者とする。
- 基本領域学会専門医(認定医)に認定されている者。
- 感染症の臨床修練を積んでいること。
1)基本領域学会の研修年限を含めて感染症学の研修を6年以上行っている者。
2)上記6年の内、3年間は本学会員として本会が指定した研修施設で、別に定めるカリキュラムに基づいて研修を行っていることを原則とする。ただし、研修終了後申請までは継続して会員であること。
尚、研修施設、指導医については別に定める。 - 感染症の臨床に関して、筆頭者としての論文発表1篇、学会発表2篇、計3篇あること。尚、学会、雑誌の種類に関しては 細則2に定める。
- 審議会が施行する専門医のための認定試験に合格すること。
第4章 専門医認定の方法
第10条
認定試験の受験を希望する者は、次の各項に定める書類を審議会に提出する。
- 受験願書
- 受験票
- 基本領域学会の専門医(認定医)証の写しまたは証明書
- 研修内容の報告書
- 診療症例一覧表(細則1)
- 診療症例の病歴要約(細則1)
- 受験料(郵便または銀行の払込用紙のコピー)
- 筆頭者としての論文発表1篇、学会発表2篇の別刷またはコピー(細則2)
第11条
審議会は有資格者(第9条1項~3項を充たす者)を対象に専門医試験を実施し、申請書類の評価を行う。実施方法については細則3に定める。
第12条
審議会は、以下の委員会を設置する。
- 専門医試験問題作成のための、試験委員会を設置する。
- 専門医育成のため、感染症専門医育成・教育部会を設置する。
第13条
審議会は専門医試験結果、研修内容、診療症例などを総合的に評価し、認定試験の合否を理事会に報告する。
第14条
日本感染症学会は合格者に対し認定証を交付する。
第15条
認定期間は5年間とし、認定更新の審査を経なければ、引き続いて専門医を呼称することは出来ない。
第5章 専門医資格の更新
第16条
審議会は、認定を受けてから5年を経たときに、審議会の定める要件(細則4)を満たした者について、認定更新の審査を行い、専門医資格を更新する。認定更新手続きについては細則5に定める。
第6章 専門医資格の喪失
第17条
専門医は次の事由により、その資格を喪失する。
- 正当な理由を付して、専門医としての資格を辞退したとき。
- 日本感染症学会会員の資格を喪失した時。
- 基本領域学会の専門医(認定医)の資格を喪失した時。
- 申請書類に虚偽が認められた時。
- 所定の期日までに認定更新を申請しなかった時。
但し、留学や健康上、その他の事由により更新条件を満たせなかった場合は、その期間を除外する。
詳細については細則6その他に定める。 - 専門医としてふさわしくない行為のあった者。
第7章 本制度の運営
第18条
この規則に規定するものの他、本制度の運営についての必要な事項は別に定める。
第8章 規則の施行、改廃
第19条
この規則の改廃は審議会の議を経て、日本感染症学会理事会で決定する。
第20条
この規則は平成7年4月13日から施行する。
付則
- 本制度の発足に当たって、別に定める規定により、経過措置による専門医の認定を実施する。
- 本制度による専門医試験は平成10年度より実施する。
- 日本内科学会(平成7年4月13日から施行)、日本小児科学会(平成8年4月18日から施行し、専門医試験は平成11年度より実施する)、日本医学放射線学会、日本眼科学会、日本救急医学会、日本産科婦人科学会、日本耳鼻咽喉科学会、日本整形外科学会、日本精神神経学会、日本脳神経外科学会、日本泌尿器科学会、日本皮膚科学会、日本病理学会、日本麻酔科学会、日本リハビリテーション学会、日本臨床検査医学会(平成16年4月6日から施行し、専門医試験は平成17年度より実施する)日本外科学会(平成18年4月21日から施行し、専門医試験は平成18年度より実施する)。
平成16年4月6日以降については、一般社団法人日本専門医制評価・認定機構の決定した基本領域学会のうち、当学会と専門医制度(二階建制)に関する合意を交わした学会を加えることとする。 - 第9条第1項および第2項1)については平成15年3月1日より実施する。
- 第9条第2項1)については、当学会が加盟している一般社団法人日本専門医制評価・認定機構の意向(各専門医領域における医師の質の向上及び一定のレベルの維持をはかり、国民の期待に応えるため)により研修期間を6年以上とする。
- 第9条第2項2)、第10条第4項・第5項・第6項、第12条および第13条については平成22年3月1日より実施する。
感染症専門医制度施行細則
平成7年4月13日制定
平成11年12月17日改正
平成15年12月12日改正
平成16年12月17日改正
平成18年2月2日改正
平成24年4月25日改正
平成25年3月1日改正
平成29年3月24日改正
平成30年4月21日改正
細則1 感染症の臨床経験に関する評価
- 受験申し込み時に提出する診療に関する記録は下記の通りである。
(1)研修施設において、研修期間に診療に携わった感染症患者30症例の一覧表
(イ)感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(いわゆる感染症法)に記載された疾患を含むことが望ましい。
(ロ)症例の選択に当たっては疾患に偏りがないように配慮すること。
(2)上記30症例中15症例の病歴要約
記載にあたっては症例の感染症の評価、病原診断の根拠、治療法、治療薬の選択の根拠を明らかにすること。 - 研修内容および診療症例の評価は試験委員会が行う。評価方法については別に定める。
細則2 感染症臨床報告に関する評価基準
- 感染症に関する筆頭者としての論文掲載は、学会誌またはレフリー制度の整った学術誌に掲載されたものであること。
- 学会発表は、原則として日本医学会総会または日本医学会加盟の分科会(地方会を含む)で発表したものであること。
細則3 専門医試験の実施
- 有資格者に対して感染症専門医の試験を行う。
- 問題作成は試験委員会が作成する。
出題問題数=60題、試験時間=90分
問題タイプは、次の2種のいずれかを用いる。
Aタイプ、X2タイプ
細則4 認定更新の要件
感染症専門医は、認定を受けてから5年後、以下の4条件を満たしている場合、専門医資格の更新を申請することが できる。
- 専門医として認定された後も引き続き本学会の会員であること。
- 更新申請時、基本領域学会の認定医(専門医)であること。
- 認定を受けてから5年間、感染症診療や学術活動に貢献するとともに、審議会が指定した教育企画に参加し、下記の所定単位を総合して50単位取得した者。
- 更新点数50点中、15点は本学会が主催する学術集会(地方会を含む)参加を必須とする(平成21年度更新対象者より実施する)。
※認定期間中に65歳を越えた専門医は、本要件の(1)(2)の条件のみを満たせば更新ができる。その場合には更新料は免除することとする。
単位取得の対象となる企画は次の通りである。
単位数 | |
---|---|
本会 | |
日本感染症学会の主催する学術集会出席者 | 10 |
同 筆頭演者 | 5 |
日本感染症学会地方会の主催する学術集会出席者 | 5 |
同 筆頭演者 | 3 |
論文掲載 | |
感染症学雑誌、Journal of Infection and Chemotherapy 筆頭著者 | 10 |
本会以外の企画 | |
本会が指定した日本医学会加盟学会1)の年次講演会出席者 | 3 |
同 筆頭演者 | 3 |
本会が指定した関連学会の年次講演会出席者2) | 3 |
同 筆頭演者 | 3 |
論文掲載筆頭著者3) | 5 |
5年間感染症診療、学術活動に貢献したことの証明書4) | 20 |
1)二階建制の成立した基本領域学会:日本医学放射線学会、日本眼科学会、日本救急医学会、日本外科学会、日本産科婦人科学会、日本小児科学会、日本耳鼻咽喉科学会、日本整形外科学会、日本精神神経学会、日本内科学会、日本脳神経外科学会、日本泌尿器科学会、日本皮膚科学会、日本病理学会、日本麻酔科学会、日本リハビリテーション学会、日本臨床検査医学会(※上記以外の基本領域学会については二階建制が成立した時点で随時追加)
関連学会:日本医学会総会、日本医真菌学会、日本ウイルス学会、日本衛生動物学会、日本化学療法学会、日本寄生虫学会、日本結核病学会、日本呼吸器学会、日本細菌学会、日本熱帯医学会、日本ハンセン病学会
2)日本環境感染学会、日本外科感染症学会、日本嫌気性菌感染症学会、日本骨・関節感染症学会、日本産婦人科感染症学会、日本小児感染症学会、日本性感染症学会、日本臨床寄生虫学会、日本臨床微生物学会
3)上記学会誌および、その他レフェリー制度が確立している内外の学術誌で、感染症に関する論文掲載
4)感染症診療、院内感染対策、地域感染対策、予防接種活動等を通じ、申請者が感染症の診療や学術活動に貢献していることを証明するもので、日本感染症学会評議員、所属施設長、地区医師会長、保健所長等が証明書発行者となる。
細則5 認定更新の手続き
申請期日までに以下の書類を審議会に提出する。
- 認定資格更新申請書
- 単位取得を確認する書類
(1)所定用紙に貼付した、学術集会に参加したことを証明する書類
(2)申請論文掲載誌の論文のコピー(論文の1頁目および2頁目)
(3)5年間感染症診療、学術活動に貢献したことの証明書 - 基本領域学会の専門医または認定医の認定証のコピーまたは証明書
審議会において認定更新審査を行い、専門医資格を更新する。
細則6 その他
1)海外の感染症専門医資格を有するものは感染症専門医規則の第9条第2項を免除して受験資格を与える。
2)以下の事由により、更新申請ができない場合はその理由、希望延期期間を記載した更新延期願いを審議会に申し出ること。
(1)留学・海外勤務
(2)病気療養
(3)出産・育児
(4)災害(被災・被災支援等)
(5)その他(更新点数不足等)
付則
1)細則1の感染症の臨床経験に関する評価については平成21年の申請までは以下の通りとする。
- 受験申し込み時に提出する研修に関する記録は下記の通りである。
(1)受け持ち感染症患者50症例の一覧表
(イ)感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(いわゆる感染症法)に記載された疾患を含むことが望ましい。
(ロ)症例の選択に当たっては疾患に偏りがないように配慮すること。
(2)上記50症例中15症例の病歴要約
記載にあたっては症例の感染症の評価、病原診断の根拠、治療法、治療薬の選択の根拠を明らかにすること。 - 研修記録の査続は試験委員会が行う。評価方法については別に定める。
一般社団法人 日本感染症学会