会員各位
C. difficileは医療関連感染としての原因菌として最も多くみられる嫌気性菌であるとともに、下痢症や偽膜性腸炎などの多様なC. difficile Infection(CDI)を示すことが知られている。そのCDIに対する診療の向上のため、日本感染症学会は日本化学療法学会と共に昨年C. difficile 感染症診療ガイドライン1を作成した。
現在各種核酸検出検査が販売され臨床応用されている状況の中、ガイドラインにおいてCDIの診断の重要性及び適切な検査のフローチャートに関して述べており、その使用にあたっては検査法の特徴をよく理解した上での適切かつ効果的な実施が求められている。
このような状況において、学会として適正な実施を確保するため以下の推奨事項をまとめた。
この推奨事項は検査の実施指針策定の際にも反映させていく予定である。
- 推奨される保険医療機関
(ア)感染症専門医もしくは臨床検査専門医が在籍し、検査結果を適正に判断する体制があること
(イ)感染制御認定臨床微生物検査技師(ICMT)もしくは認定臨床微生物検査技師が在籍していること
(ウ)医療機関内に感染防止対策部門を設置し、組織的に感染防止対策を実施する体制が整備されていること
(エ)検査機器及び試薬の管理等、検体検査の精度管理が適切に実施されていること - 対象患者
(ア)C. difficile 感染症 (CDI)を疑う場合であって、クロストリジウム・ディフィシル抗原定性検査において、CD抗原陽性かつCDトキシン陰性であること。
(イ) 2歳以上でBristol Stool Scale 5以上の下痢症状があること。
(ウ) 24時間以内に3回以上、又は平常時より多い便回数があること。
参考文献
1)Clostridioides (Clostridium) difficile 感染症診療ガイドライン CDI診療ガイドライン作成員会
2019年3月
一般社団法人日本感染症学会
理事長 舘田 一博
感染症遺伝子検査委員会
委員長 栁原 克紀