日本感染症学会

ガイドライン・提言Guidelines

多項目遺伝子関連検査の実施指針について

最終更新日:2026年7月3日

 本指針は、多項目遺伝子検査が有用な情報を提供できる一方で、診療上の運用や検査結果の解釈に困難を伴う場合もあることを踏まえ、臨床現場での適切な活用を支援することを目的として作成されたものである。

 前回の改訂では、COVID-19パンデミックの影響を踏まえ、急性呼吸器感染症に対する多項目遺伝子関連検査の実施指針を、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を含むものと含まないものに分けて記載していた。しかし、現在では呼吸器感染症全般を一体として取り扱うことが実臨床に即した対応であると考えられることから、本指針では呼吸器感染症を包括的に整理した。

 さらに近年、入院を要する肺炎を対象とした多項目遺伝子関連検査が国内でも保険適用となり、迅速な病原体診断と薬剤耐性遺伝子の同時検出による適切な抗菌薬選択が期待されるようになった。一方で、本検査は従来の培養検査や臨床所見を代替するものではなく、その特性や限界を十分に理解した上で適切に運用することが重要である。このような背景を踏まえ、本改訂では「入院を要する肺炎の疑い症例に対する多項目遺伝子関連検査の実施指針」を新たに追加した。

 本指針は、感染症診療・感染対策に携わる医師、臨床検査専門医、臨床検査技師をはじめとするすべての医療従事者を対象としている。多項目遺伝子関連検査の導入および施設内での適切な運用に際し、本指針が実臨床における有益な手引きとなることを期待する。

2026年6月27日

一般社団法人日本感染症学会 理事長 松本 哲哉
感染症遺伝子検査委員会 委員長 栁原 克紀

 

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