2022年8月現在、新型コロナウイルス感染症(第7波)が全国へ急速に拡大することにより、多くの医療機関において救急外来・発熱外来の逼迫、更には救急車利用の拡大による救急要請に対応できないなど、コロナ以外の一般診療に対する影響も大きくなっており、まさに危機的状況となっております。
こうした状況を少しでも改善させるためには、医療従事者のみならず国民の皆様のご協力が不可欠であることから、関連4学会(日本プライマリ・ケア連合学会、日本救急医学会、日本臨床救急医学会、日本感染症学会)では厚生労働省とも意見交換を行った上、医学的な立場から救急外来/救急車の利用及び発熱外来受診にあたっての目安をお示しすることといたしました。
感染症を含め、医療の原則は早期発見、早期治療であることは言うまでもございませんが、今回の目安はあくまでも前述の危機的状況の改善のためであり、またオミクロン株の感染者については軽症患者が多数を占めているということを鑑みて作成したものであることをご理解頂きますようお願い致します。
2022年8月5日
一般社団法人日本感染症学会
理事長 四柳 宏
「限りある医療資源を有効活用するための医療機関受診及び救急⾞利用に関する4学会声明」
追補:これまでお問い合わせいただいた内容についてご説明いたします。
- 受診を控えてほしいとはどういうことなのか
- →今回の声明はあくまでも、現在の第7波における救急外来、発熱外来の逼迫、救急要請の対応ができない事態が発生し、コロナ以外の一般診療に影響が出始めていることを重く受け止め、救急利用、発熱外来受診にあたっての目安として出したものです。重症化リスクが低い方の場合は、すぐに検査や受診が出来なくとも自宅療養や市販の薬で対応ができることを記し、ご協力をお願いしたものです。自宅療養中に体調が悪くなられた際には医療機関の受診をお勧めします。
- コロナは風邪と同じなのか
- →オミクロン株に罹られた際、特にワクチン接種から間もない場合は症状(発熱、のどの痛み、鼻水、咳、全身のだるさなどがあげられます)が軽い場合が多く、数日で軽快されます。こうした場合(順調に経過した場合)風邪と大きな違いはないということです。
コロナ=風邪ということではありません。