日本感染症学会

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第94回日本感染症学会総会・学術講演会

ジカウイルス感染症 医療機関の方へ

最終更新日:2019年3月11日

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1.ジカウイルス感染症について

 ジカウイルス感染症は、フラビウイルス科フラビウイルス属のジカウイルスによる蚊媒介感染症です。ジカウイルス感染症の急性期の症状(斑状丘疹や発熱など)はデング熱より軽いとされています。
 ジカウイルス感染症の流行地域は2015年以降に中央および南アメリカ大陸、カリブ海地域において急速に拡大し、さらにアジア・西太平洋地域、インド洋地域においても症例が報告されています。また、2015年以降の南北アメリカ大陸における流行において、妊婦のジカウイルス感染と胎児の小頭症との関連が注目されています。胎児が小頭症と確認された妊婦の羊水からジカウイルス遺伝子が検出され、また出産後まもなく死亡した小頭症の胎児の脳組織からジカウイルス遺伝子が検出されました(Schuler-Faccini L, et al. MMWR 65(3);59-62,2016)。このような事態を踏まえて、WHOは、2016年2月1日に緊急委員会を開催し、小頭症及びその他の神経障害の集団発生に関して「国際的に懸念される公衆の保健上の緊急事態(PHEIC)」を宣言しました。
 その後、ジカウイルスと小頭症を含む先天異常との関連性については、小頭症による死亡胎児・新生児の脳脊髄液・脳組織等からジカウイルスRNAや抗原が検出されているほか、動物モデルにおいてもジカウイルス感染が小頭症を含む先天異常を来すことにより確認されています。また疫学研究においても極めて強い関連性が示唆されたことから、両者の因果関係は科学的な合意が得られています。その後も3回の緊急委員会の推奨を受けてPHEICは継続されましたが、2016年11月18日に第5回会合が開催され、ジカウイルス感染症とその合併症は、もはやPHEICには該当しないとされています。
 わが国において、2016年2月15日から本疾患は4類感染症に位置づけられ、医師の届け出が求められております。また、2016年2月以降2017年3月13日までに13例の輸入感染例の届出がされています。

2.ジカウイルス感染症の協力医療機関について

 前述の状況から、海外渡航歴等からジカウイルス感染症を疑う妊婦については、ジカウイルス感染症の検査の必要性について専門的な助言が行える体制の確保が必要となっております(ジカウイルス感染症リスクアセスメント参照)。
 日本感染症学会は2014年に発生したデング熱の国内流行を受けて、2015年に蚊媒介感染症専門医療機関ネットワークを構築しました。今回、この蚊媒介感染症専門医療機関ネットワークのうち、2016年9月20日時点で産科婦人科あるいは周産期センターを併設する110の医療機関に「ジカウイルス感染症協力医療機関」としてご協力いただけることになりました。
 また、今後、医療機関において「ジカウイルス感染症を疑う妊婦」が発生した場合に、妊婦に対して問診や診察などを行い、必要に応じて妊婦の経過観察を行っていただく医療機関として、以下の12施設にご協力いただけることになっています。
【産婦人科】
東京大学医学部附属病院女性診療科・産科
富山大学附属病院産婦人科
浜松医科大学医学部附属病院産婦人科
神戸大学医学部附属病院産科婦人科
宮崎大学医学部附属病院産婦人科
長崎大学病院産婦人科
三重大学病院産科婦人科
日本大学医学部附属板橋病院産婦人科
【小児科】
東京大学医学部附属病院小児科
長崎大学病院小児科 
藤田医科大学病院
神戸大学附属病院小児科

3.ジカウイルス感染症の診療体制について

 国内の医療機関の先生方、とりわけジカウイルス感染症協力医療機関及び母子感染ネットワーク医療機関等の先生方に対して、国内における妊婦を含むジカウイルス感染症の診療の流れについては、国立感染症研究所、AMED成育疾患克服等総合研究事業「母子感染に対する母子保健体制構築と医療開発技術のための研究(ジカウイルス班)」から公表されています(http://www.nih.go.jp/niid/images/epi/zika/zika-mcs20170324.pdf)。

4.医師を対象としたQ&A

 国内のジカウイルス感染症の診療に携わる医師を支援する目的で、医師を対象としたQ&A(2017年3月24日更新)が国立感染症研究所、国立国際医療研究センター、AMED成育疾患克服等総合研究事業「母子感染に対する母子保健体制構築と医療開発技術のための研究(ジカウイルス班)」から公表されています(http://www.nih.go.jp/niid/images/epi/zika/zika-qa20170313.pdf)。

ジカウイルス感染症協力医療機関

2019年3月11日更新
  ジカウイルス感染症協力医療機関 特記事項
北海道 JA北海道厚生連旭川厚生病院  
宮城県 財団法人厚生会 仙台厚生病院  
秋田県 市立秋田総合病院  
大館市立総合病院  
山形県 社会福祉法人恩賜財団済生会山形済生病院  
福島県 公立大学法人 福島県立医科大学附属病院  
茨城県 筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター 茨城県厚生連総合病院水戸協同病院  
栃木県 自治医科大学附属病院  
独立行政法人国立病院機構 栃木医療センター  
芳賀赤十字病院  
群馬県 群馬大学医学部附属病院  
埼玉県 防衛医科大学校病院  
医療法人社団 愛友会 上尾中央総合病院  
埼玉医科大学病院  
千葉県 東京慈恵会医科大学附属柏病院  
医療法人鉄蕉会 亀田総合病院  
国立大学法人 千葉大学医学部附属病院  
千葉市立青葉病院  
医療法人財団 明理会 新松戸中央総合病院  
日本赤十字社成田赤十字病院  
東京都 国立研究開発法人 国立成育医療研究センター  
東京慈恵会医科大学附属病院  
東京医科大学病院  
東京都立墨東病院  
東邦大学医療センター 大森病院  
順天堂大学医学部附属順天堂医院  
公益財団法人東京都保健医療公社荏原病院  
帝京大学医学部附属病院  
国立研究開発法人国立国際医療研究センター病院  
国家公務員共済組合連合会 虎の門病院  
聖路加国際病院  
昭和大学病院  
東京慈恵会医科大学葛飾医療センター  
公益財団法人 東京都保健医療公社 豊島病院  
日本大学医学部附属板橋病院  
杏林大学医学部付属病院  
神奈川県 学校法人北里学園 北里大学病院  
川崎市立川崎病院  
聖マリアンナ医科大学病院  
聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院  
財団法人 神奈川県警友会 けいゆう病院  
公立大学法人 横浜市立大学附属 市民総合医療センター  
川崎市立多摩病院(指定管理者 学校法人聖マリアンナ医科大学)  
日本医科大学武蔵小杉病院  
横浜市立市民病院  
新潟県 新潟市民病院  
長岡赤十字病院  
新潟大学医歯学総合病院  
山梨県 地方独立行政法人山梨県立病院機構山梨県立中央病院  
長野県 信州大学医学部附属病院  
諏訪赤十字病院  
富山県 国立大学法人富山大学附属病院  
石川県 石川県立中央病院  
福井県 福井大学医学部附属病院  
福井県立病院  
岐阜県 国立大学法人 岐阜大学医学部附属病院  
静岡県 浜松医療センター  
愛知県 愛知県厚生農業協同組合連合会 江南厚生病院  
独立行政法人労働者健康安全機構 旭労災病院  
藤田医科大学病院  
名古屋市立大学病院  
トヨタ記念病院  
名古屋大学医学部附属病院  
三重県 独立行政法人国立病院機構 三重病院  
地方独立行政法人 三重県立総合医療センター  
滋賀県 滋賀県立総合病院  
京都府 地方独立行政法人京都市立病院機構 京都市立病院  
大阪府 大阪市立総合医療センター  
一般財団法人大阪府結核予防会 大阪病院  
地方独立行政法人りんくう総合医療センター  
兵庫県 社会医療法人 明石医療センター  
地方独立行政法人神戸市民病院機構 神戸市立医療センター中央市民病院  
神戸大学医学部附属病院  
奈良県 奈良県立医科大学附属病院  
和歌山県 日本赤十字社和歌山医療センター  
鳥取県 鳥取大学医学部附属病院  
岡山県 川崎医科大学附属病院  
公益財団法人大原記念倉敷中央病院  
岡山大学医学部・歯学部附属病院  
広島県 県立広島病院  
広島大学病院  
山口県 下関市立市民病院  
徳島県 徳島大学病院  
香川県 独立行政法人国立病院機構 四国こどもとおとなの医療センター  
愛媛県 松山赤十字病院  
国立大学法人愛媛大学医学部附属病院  
高知県 独立行政法人国立病院機構 高知病院  
社会医療法人近森会 近森病院  
福岡県 福岡市立こども病院  
久留米大学病院  
九州大学病院  
公益財団法人健和会 健和会大手町病院  
佐賀県 地方独立行政法人 佐賀県医療センター好生館  
長崎県 長崎大学病院  
独立行政法人国立病院機構 長崎川棚医療センター  
独立行政法人労働者健康安全機構 長崎労災病院  
JCHO諫早総合病院  
医療法人栄和会 泉川病院  
長崎みなとメディカルセンター  
国立病院機構 長崎医療センター  
熊本県 上天草市立上天草総合病院  
熊本大学病院  
大分県 大分大学医学部附属病院  
大分県済生会日田病院  
宮崎県 宮崎大学医学部附属病院  
鹿児島県 鹿児島市立病院  
沖縄県 国立大学法人 琉球大学医学部附属病院  
社会医療法人 敬愛会 中頭病院 妊産婦以外の対応

参考資料:蚊媒介感染症の診療ガイドライン(第4版)

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