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蚊媒介感染症 一般の方へ

最終更新日:2019年1月22日

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蚊媒介感染症とは

 蚊媒介感染症とは、病原体を保有する蚊に刺されることによって起こる感染症のことです。蚊は人に病気をうつしますが、蚊自身は病気になりません。代表的な蚊媒介感染症には、ウイルス疾患であるデング熱、チクングニア熱、日本脳炎、ウエストナイル熱、原虫疾患であるマラリアなどがあります。これらの感染症は主に熱帯、亜熱帯地域で流行しています。

 我が国では日本脳炎が国内流行していましたが、それ以外の蚊媒介感染症は輸入感染症として海外から持ち込まれていました。しかしながら、2014年の夏に70年ぶりにデング熱の国内流行が報告されたことから、デング熱の国内発生に対する予防対策や診療体制の整備が必要となっています。

 このような状況から、日本感染症学会では蚊媒介感染症を疑う患者さんの診断や治療が円滑に行われるようにするため、「蚊媒介感染症専門医療機関のネットワーク」を構築し、「蚊媒介感染症専門医療機関」を公表することにしました。

 我が国で輸入感染症として頻度が高いのはデング熱、マラリア、チクングニア熱ですが、国内発生の可能性があるのはデング熱、チクングニア熱です。このため、本ネットワークではこの2つの感染症の診療にあたる専門医療機関を提示しています。

 なお、マラリアには抗マラリア薬による治療が有効ですが、デング熱、チクングニア熱に対しては解熱薬の投与や輸液などの対症療法が中心になります。従って、一般市民の方々は、デング熱、チクングニア熱を媒介するヤブ蚊(ヒトスジシマカ)に刺されないための予防対策を心がけましょう。

※蚊媒介感染症を疑う場合、一般市民の方々は、まず、かかりつけ医にご相談ください。

 

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