症状からアプローチするインバウンド感染症への対応

バイオテロ

似たような症状を呈する複数の患者が発生するなど、「何かおかしな」状況が見られたら人為的な原因の可能性も考慮する。

症状			バイオテロ関連疾患
皮膚・粘膜・出血症状	発疹 潰瘍 出血症状（紫斑、鼻出血、消化管出血など）	→	天然痘 皮膚炭疽 ペスト ウイルス性出血熱 野兎病 腎症候性出血熱 T-2マイコトキシン など
呼吸器症状	咳 痰 咽頭痛 呼吸困難 など	→	肺炭疽 肺ペスト 野兎病 Q熱 オウム病 コクシジオイデス症 リシン中毒 ウェルシュ毒素中毒 黄色ブドウ球菌エンテロトキシンB など
胃腸症状	下痢 嘔吐 腹痛など	→	細菌性赤痢 サルモネラ菌 コレラ 腸チフス・パラチフス 病原性大腸菌（O157など） クリプトスポリジウム症 黄色ブドウ球菌エンテロトキシンB など
神経症状	意識障害 麻痺 けいれん 髄膜刺激症状 など	→	ボツリヌス症 ベネズエラ馬脳炎 ニパウイルス感染症 など
非特異的症状	発熱 頭痛 倦怠感 リンパ節腫大 など 上記のいずれにも分類しがたいもの	→	天然痘 ウイルス性出血熱の初期 腺ペスト 腸チフス・パラチフス ブルセラ症 など

「バイオテロに使用される可能性のある病原体等の新規検出法の確立、及び細胞培養痘そうワクチンの有効性、安全性に関する研究班（研究代表者：西條政幸）バイオテロを疑う時」より引用。