日本感染症学会症状からアプローチするインバウンド感染症への対応~東京2020大会にむけて~|感染症クイック・リファレンス

最終更新日:2020年2月20日

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新型コロナウイルス感染症(COVID-19 infection)

病原体

新型コロナウイルス(COVID-19)

感染経路

飛沫感染が主であり、一部接触感染する可能性がある。

流行地域・発生頻度

2020年2月11日時点では、中国(40,171人)での症例が99%を占めており、特に武漢市を中心とした湖北省での症例が大半である。中国以外でもヒト-ヒト感染例を含め症例が報告されており、日本ではクルーズ船での感染者を含め96人の感染者が報告されている。

潜伏期間・主要症状・検査所見

潜伏期間は1~14日で平均5.8日と報告されている。発症早期は発熱・鼻汁・咽頭痛・咳嗽といった非特異的な上気道炎の症状のため診断に難渋することがある。発症早期から、または上気道炎症状に続いて肺炎を合併することがある。肺炎を合併する事例では、両側性の胸膜下の浸潤影・すりガラス影が特徴的である。

予後

2020年2月11日時点では致命率は2.3%であるが、武漢市では患者が大量に発生しており重症例を中心に対応していることから、同市で突出して致命率が高いと考えられることから、軽症例を含めた致命率はさらに低いと推定される。

感染対策

標準予防策に加えて、飛沫予防策、接触予防策を行う。結膜を介した感染も懸念されることからアイシールドも使用が推奨される。エアロゾル発生手技(喀痰吸引や気管挿管など)では空気予防策が必要である。

法制度

2020年2月1日から指定感染症に定められている。原則として特定・第一種・第二種感染症指定医療機関で診療が行われるが、2月9日以降は緊急その他やむを得ない場合につき、感染症指定医療機関における感染症病床以外に入院させること、又は感染症指定医療機関以外の医療機関に入院させることが可能となっている。

診断

診断はPCR検査によってなされる。喀痰または咽頭スワブでのPCR検査を提出する。

診断した(疑った)ときの対応

症例定義に該当する症例は行政検査の対象となる。2月4日に変更となった症例定義は、次の(1)~(4)に該当し、かつ他の感染症又は他の病因によることが明らかでなく、新型コロナウイルス感染症を疑う場合。
(1)発熱または咳などの呼吸器症状(軽症の場合を含む。)を呈する者であって、新型コロナウイルス感染症であると確定したものと濃厚接触があるもの
(2)37.5℃以上の発熱かつ呼吸器症状を有し、発症前14日以内に中国湖北省に渡航又は居住していたもの
(3)37.5℃以上の発熱かつ呼吸器症状を有し、発症前14日以内に中国湖北省に渡航又は居住していたものと濃厚接触があるもの
(4)発熱、呼吸器症状その他感染症を疑われるような症状のうち、医師が一般に認められている医学的知見に基づき、集中治療その他これに準ずるものが必要であり、かつ、直ちに特定の感染症と診断することができないと判断し(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第14条第1項に規定する厚生労働省令で定める疑似症に相当)、新型コロナウイルス感染症の鑑別を要したもの
※濃厚接触とは、次の範囲に該当するものである。
・新型コロナウイルス感染症が疑われるものと同居あるいは長時間の接触(車内、航空機内等を含む)があったもの
となっており、このいずれかに該当すれば保健所に問い合わせる。

治療(応急対応)

新型コロナウイルス感染症に特異的な治療薬はなく、対症療法が主体となる。

専門施設に送るべき判断

新型コロナウイルス感染症の疑似症に該当した場合、または専門的判断を要する事例。

専門施設、相談先

特定・第一種・第二種感染症指定医療機関

役立つサイト、資料

  1. 厚生労働省. 新型コロナウイルス感染症について.
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
  2. WHO. Novel Coronavirus (2019-nCoV) situation reports
    https://www.who.int/emergencies/diseases/novel-coronavirus-2019/situation-reports

(利益相反自己申告:申告すべきものなし)

国立国際医療研究センター 忽那賢志

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